特殊なIPアドレス:テストネットワーク用アドレスについて

例示用のIPアドレス

突然ですが、アメリカのドラマや映画などで出てくる電話番号は「555」で始まるという決まりをご存知ですか?アメリカには「架空の番号」として慣習的に使われている電話番号があります。
作中に登場する電話番号は、いたずら電話や興味本位の電話がたくさんかかってくる可能性が想定されます。制作側が適当に設定した電話番号が万一実際に使われているものだった場合のリスクを考えて、たいていの場合「555」から始まる電話番号が使われています。

これは電話番号に限ったことではありません。例えば本サイトでは文章や図の中に具体的なIPアドレスを含めて説明しています。ドラマや映画ほど多くの人の目に触れるわけではありませんが、これも、万一実際にどこかで使われているIPアドレスであった場合、思わぬトラブルを引き起こす可能性がないとは言えません。

そんなときに便利なのが「テストネットワーク用アドレス」と呼ばれるIPアドレスです。 「テストネットワーク用アドレス」は、555から始まる電話番号と同様に、例示用に使うようあらかじめ定められたIPアドレスです。また、「テスト」という名前が示す通り、テスト・実験用としても利用されます。

IPv4アドレスにおけるテストネットワーク用アドレスは、

192.0.2.0/24
198.51.100.0/24
203.0.113.0/24

以上の3ブロックです。

 

例示用のドメイン

IPアドレスと同様、ドメイン名に関しても、例示用のドメイン名として決められているものが存在します。

まず、例示用のTDL(Top Level Domain)として「.example」というものが存在します。 また、それぞれのSLD(Second Level Domain)にも、例示や実験のために予約されているものがあります。
例えば、「example.com」や「example.net」などです。JPドメインでは「example」をSLDとするものや、「example」の直後に1桁の数字を付けたもの(example1.co.jpなど)は例示用・実験用として予約されています。
また、日本語ドメイン名の例示用として「ドメイン名例.jp」と、それをpunycode表記した「xn--eckwd4c7cu47r2wf.jp」が予約されています。

 

まとめ

・例示用・テスト用として予約されているIPアドレスがある。
・例示用・テスト用として予約されているドメイン名がある。