当社は、日本国内のIPネットワークを対象に通信経路の測定を行い、その結果を可視化しました。本調査では traceroute を用いた大規模な経路測定を実施し、IPv4およびIPv6ネットワークにおける通信経路の構造的な特徴を分析しました。
■調査の背景
インターネット上の通信は、利用者から宛先へ直接届いているように見えますが、実際には複数のネットワーク事業者や通信機器を経由して届けられています。しかし、こうした通信経路は普段ユーザーの目に触れることは少なく、インターネットの構造を直感的に理解することは容易ではありません。
そこで当社では、通信経路の測定結果を可視化することで、日本国内ネットワークの構造を俯瞰的に把握できる取り組みを行い、その結果を今回公開しました。
■調査概要
本調査では、国内IPアドレスを対象に traceroute による通信経路測定を実施しました。
測定はAWS東京リージョン上に設置したサーバから行い、国内IPアドレスに対する通信経路を収集しています。収集した経路上の中継地点をノードとして配置し、通信事業者やクラウド事業者などの属性に応じて分類し可視化しました。


【図の見方について】
図中の点は、通信経路上で観測された中継地点(ルータなど)を表しています。
点を結ぶ線は traceroute によって観測された通信経路を示しています。
図が中心から放射状に広がる構造になっているのは、測定の起点が中央にあり、そこから各宛先IPアドレスに向かう通信経路を描画しているためです。
本調査では、AWS東京リージョン上に設置したサーバから測定を実施しています。
■IPv4とIPv6におけるネットワーク構造の違い
可視化結果を比較すると、IPv4とIPv6のネットワーク構造には特徴的な違いが確認されました。
【IPv6ネットワーク】
・起点から末端に向かって階層的に広がる構造
・比較的整理されたツリー状のネットワーク構造
【IPv4ネットワーク】
・経路が密に入り組んだ構造
・長年の運用によるネットワークの複雑化が反映
■測定方法
測定対象の選定には、IPアドレスに地域や回線、利用形態などの属性を付与したデータベースを利用しています。当社ではIPアドレス情報を整理したデータベース「SURFPOINT」を提供しており、同データベースのレコード単位で測定対象を抽出することで、効率的に多様な通信経路を収集しました。
調査規模は以下の通りです。

通信経路の可視化は、インターネット構造の理解だけでなく、ネットワーク分析や通信品質の研究などにも応用可能です。
当社では今後、BGPの経路情報など他の公開情報も組み合わせることで、異なる観点から通信経路を捉える手法についても検討し、可視化の切り口を広げていく予定です。
▶本調査の詳細については、以下の記事にて公開しています。
国内IPv4 / IPv6ネットワークの経路探索とその可視化(2026年版)
https://www.surfpoint.jp/news/the-internet-of-japan-2026/